「あはははっ!サラちゃん真っ赤だぁー!かわいいーー!」

ケタケタと灯歌ちゃんが笑う。

いやいや、だって!
あたし、本人に言ったつもりは無くてだな!!
なんてゆーか、だから分からないようにオブラートに包んで言ったのに!!


「私が聞いてわかるんだから、本人にわかんないはずが無いわよね。大体、サラちゃんオーディションの時にトウマさんのファンですって堂々と言ってたしー。」

「え!?ウソ、そんなこと…い、、い、言いましたかもしれませんです…」


ちょっ、え、………

いやいや
まてまて

落ち着いて、あたし!

さっきオンエアで何て言ったっけ…あわわわ、全然、思い出せない。なんか勝手に気分が盛り上がっちゃって言わなくてもいいことまで言っちゃっ……いやいや、でもでも、トウマのことだってばれないように気をつけていたはずで……えーーーーーーっとぉぉぉお……


ドレスの背中にツツーっと汗が流れる。

ちがうちがう、あたしは今日ここでキッパリとトウマへの想いを断ち切るはずで…その覚悟でラストのトークを……え、っと……


「さあ!それでは、本日をもってここを卒業する安藤サラちゃんに、花束を贈呈したいと思います!サラちゃーん!!壇上へどうぞーーっ!!」


確かに、した、はずで………


「プレゼンターはもちろん、この人!」


大崎くん、ちょっと。
頼むよ。



「DJトウマーーー!!」


こんなタイミングで、その人を呼ばないで。