「あっ!とーまっ!」
「おはようございます!トウマさんっ!」
「お疲れさまでーすっ!」
「ああ、みんな早いな。きょうは安藤のラストの日だ、から………」
遅れてやって来たトウマが、あたしを見つけて言葉を止めた。
「…おはようございます、トウマさん。」
「サラ……」
この人でも、こんな顔をすることがあるんだ。
切れ長の目を見開いて、信じられない、とでも言いたげな表情。
「…どうした、失恋でもしたのか?このタイミングで髪を切るとは、意味深だな。」
出てきた声は、ちょっと戸惑ったようなかすれ声。
なんだ、分かってんじゃん。
「その通りです。お陰さまで、スッキリしましたよ。」
「は?」
「きょうでラストです!花道飾ってやりますから、どーぞよろしくお願いいたします!」
「あ、オイ、サラっ!」