楓「私、おっちょこちょいで……大ちゃんに甘えちゃうでしょ?だから、デートくらい邪魔するなって言われてて」


“デートくらい邪魔するな”って、もしかして、「面倒くせぇ」とか「はぁー」ってついてた大きな溜め息も私に向けられてたものじゃなかったの……?
本当は私とのデートを優先したいって思ってくれてたの?


楓「せめてもの恩返しのつもりで準備とか一人でやるって大ちゃんに言ってたんだけど……ケーキの失敗で何にも出来なくて、また大ちゃんに頼る結果になっちゃて……」


大地くんに視線を向けると恥ずかしそうに頬を少しだけ赤めて俯いていて……
私、大地くんに愛されてるじゃんって。
私より大事なものもあるかも知れないけど…
私も大事にされてるんだって分かった。


楓「私の失敗のせいで、大ちゃんと萌恵ちゃんすれ違わせてしまってごめんなさい!!大ちゃんにも怒られちゃった……」


私から離れた楓ちゃんは本当に申し訳なさそうな顔をしてたかと思うと


楓「楓、ちょっと邪魔」


と言って大地くんが部屋の外に追い出しちゃった。