「……これでもムリか?」って、ささやく声が聞いてくる。


アゴを引いてるんだろう。息のかかる髪が、熱い。



「眞緒? 返事は?」



なんて言えばいいんだろう。


どうしてこんなに意識しちゃうんだろう。


ハル兄は、ただの幼なじみなのに。



「……にぃ、」


「ん?」



お兄ちゃんみたいなヒトなのに。


ドキドキする必要なんか、ないのに。



「……苦しい……」



けど、



「……気持ちいい……」