「聞こえねーって。はっきり言え」


「ハヒャ……ヒ……」


「ん? なんだって?」


「ヒャレハ…ヒャルニヒ、ノ、」


「あ?」



おちょぼ口状態ではしゃべれませんって!


てか、「天然」→「S」の急な変換はやめてって!



「んんんーっもうっ!」



ハル兄の両手を引きはがして唇をとがらせた。



「はさまれたままじゃ声が出ないじゃんっ」


「あ、ごめん。で?」


「だから……、あれは、ハル兄の、」


「オレの?」


「……体温が気持ちよかったのっ。ハル兄にくっついてたから眠れたのっ」