テーブルについて正座をして待っていると、


「どれ、始めるか」


おかーさんから解放されたハル兄が入ってきた。



「おつかれー」


「お前なぁ、先に引き上げて行くなよなぁ」


「おかーさんとハル兄のネタになるのがイヤなんだもーん」


「ネタって。あ、紅茶で手打っといたけどいいよな?」


「うん」



腰を下ろしたハル兄の、今日の格好はラフな感じだ。


黒いざっくりしたニットが、ムカつくくらい良く似合っている。



白シャツも黒ニットも似あうとか反則だろ。……なんて思いながら英語の教科書を広げる。