「あんまりおしゃべりしない人だったからね、おとーさん。確かにおかーさんだけがペラペラしゃべってたかも。うんうんってうなずいて、でもしっかり聞いてくれてたよ」


「ふーん」


「ときどきね、眞緒みたいに噴き出すこともあってさ」


「マジ?」



ヘンなとこ似てきちゃったのかな、と言うと、おかーさんはケラケラと笑った。



「ホントは笑い上戸のくせに、こらえてるから悪いのよねー」



懐かしそうに目を細めるおかーさん。



「病気のことも……優しいから気を使ってギリギリまで話してくれなくて」



言葉を区切ったおかーさんは、



「そんなとこも、眞緒そっくりだったよ」


「?」



首をかしげるあたしの顔を、微笑んで見つめた。