「「僕たちに出来ることは何!?
お人形さん!」」


小さく声を掛けると
二人同時に返事が
返ってきてしまったので
少し驚いたが
構わず言葉を続ける。

…お人形さんには
突っ込まないでおこう。



「な、にか…袋を…頂戴…。」


段々と言葉が出にくくなり、
苦しさが相手に伝わったのか
前髪をヘアピンで止めている
─アイリと呼ばれた少女が
素早く保健室内を探し、

カチューシャをしている
─リーア、と呼ばれた少女は
私の背中を擦ってくれた。


暫くしてガタガタッと
大きな音がしたと思うと
アイリが沢山の袋を持って
掛けてきた。


「袋持ってきたよ!」


涙目でそう言いながら
勢い良く私の座っていた
ベッドの上に置いた。


その中の一つを
素早く手に取り口に当てる。

いつの間にか二人とも
涙目になり
こちらを凝視していた。

可愛いなぁ、なんて
呑気な考えが出来る頃には
呼吸も元通りになり、
袋を離せば
ふぅーと一息吐く。



「…ありがとう。」


それだけしっかりと言えば
二人は糸が切れた操り人形の様に
へなへなと地面に膝を付いた。



「良かったぁ。」

「びっくりした…。」


各々に言葉を紡ぎながら
安心したように
うっすらと涙を浮かべる二人。