「「どしたの?体調悪い?」」


二つの声が聞こえ、思わず
顔をあげると、
すーっと映像が消えていった。

その代わりに目の前には
ピンクでショートボブの
同じ髪型に、
同じ顔立ち、同じ体型、
同じノースリーブの
ワンピースを着た女の子が
二人立っていた。

唯一違うところと言えば、
右の女の子は
前髪をヘアピンで止めていて、
左の女の子は
カチューシャをしているぐらい。

これがなければ
二人の見分けなんて
きっとつかないだろう。


頭痛も、呼吸もしずらいのも
一瞬忘れたように止まったが、
またすぐに引き起こす。

ヒューヒューと
独特な空気音が響くと、
先ほどまでじっと見ていた
二人だったが
突如二人で顔を合わせると
アタフタし始めた。


「ど、どうしよ。
リーア、僕どうしたら…」


「お、落ち着こう…アイリ!」


「リーアこそ落ち着かなきゃ!」


アタフタしている二人を
横目で見ると、
とても可愛かった。
けれど、今はそんな事を
言っている場合では
なかったので思わず手を伸ばす。



「…あ…の。」