「…ん…あれ…?」



どのぐらい眠ったのだろう。
目を擦りながら
体を起こすと、
保健室一面夕日の赤で
染められていた。


ぼんやりと辺りを
見回していると
突然ズキリと頭に痛みが走る。



「い、た…。」



反射的に手で頭を押さえるが
良くなる筈もなく、
ただ痛みだけが頭を支配する。



ズキ、ズキ、と

保健室内に音が響いて
いるんじゃないかと思うぐらい
脳に音が反響する。



痛みの音の中に隠れて
どこかで聞いた声が聞こえる。