正直な話、関わりたくなかった。
寧ろヴァンパイア自体が
苦手だから、見るだけでも嫌。
というか受け付けない。
だから素直に
言葉が出てきた。
「………なら、良いが…。」
アザセルは言葉とは反対に
納得していないような
顔をしていて、何か引っ掛かる。
さっきから何なんだろう?
「あの…」
「おい…」
短い沈黙を破るように
二人の声が重なった。
そのせいで余計に気まずさが
増し、また沈黙。
「さ、先にどうぞ?」
「…いや、まぁ…そうだな。」
どちらもまだ気まずさが
あるのか、
私の方は笑顔が思い切り
引きつってしまったし、
アザセルはというと
目線だけだが、
また明後日の方向を向いてしまった。