───────────
─────────
──────






…目を開けると、目の前には
真っ白な壁だけだった。


周りを見ても
先程の様な光景はなくて、
これが現実なんだ、と
打ちのめされた気分になる。


手を伸ばしても、それは
もう二度と取り戻せなくて、

空しさだけがただただ
心に募るばかりだった。




「……起きたのか…って
何をしている?」



人が居る事も気付かなかった為、
思わずビクリと
体が反応してしまう。



さっきのリッドとは違う
声だったけど
まるで怒っているような
声色でぶっきらぼうに言われ、

少しだけ恐怖心を抱いてしまう。


そろりと手を降ろして、
布団の中から少しだけ
顔を出すような形で、
恐る恐る声の方に視線を向けた。




「あ、の。
貴方が…助けてくれたの…?」