何が起こったのか
理解出来ていない状況下で
突然、お腹に痛みが走った。

「きゃあっ!」


斜め後ろの近くにあった木まで
勢い良く飛ばされ、
受け身をする暇もなく
背中を思い切り打ってしまった。
その反動で木が微かに揺れる。




意識を失いそうになりながらも
やっと状況が理解できた。
指の音は彼が蝙蝠を呼び、
自分の前に盾のように集めて
私の剣を受け止めた。
それで思わず笑いが零れた。


それからまた反撃されまいと
思い切り蹴ったのね…。




お腹を触ろうと手を動かすと
肩がズキンと痛んだ。
痛みを押さえながらも
蹴られたであろう場所に
そっと触れてみる。


骨は折れてなさそうだけど…
痣になりそうね…。

身体中がズキズキと痛む中、
彼は悠長にゆったりとした態度で
ゆっくりと私に近付いてきた。