…牙と蝙蝠って事は…
ヴァンパイア?
お腹が空いてるとも
言っていたし、

血を狙っているのかしら?
それなら直接
狙ってくれば良いのに…。

もしかして、彼は
強くないのかしら?

…それなら…。




少しずつ攻撃が
痛くなってきた時、
私は行動に移してみる事にした。


すっと顔の前から腕を退かし、
腰にある剣に手をやる。


…大丈夫、抜ける。
後はタイミングだ。




彼は私が諦めたのかと思ったのか
つまらなそうな顔をしている。
おまけに大きな欠伸まで。


油断している今がチャンス!
…そう思った私は
勢い良く立ち上がった。

私の瞬時の行動に
付いてこれなかったのか
足元に居る蝙蝠達を飛び越え、
剣を抜きながら彼に向かって行く。