「俺さ、本当はこっちで母さんと姉ちゃんと一緒に暮らしたかった…
でもさ。
父さんはこっちに俺が残るなら、姉ちゃんを向こうに連れて行くって言っててさ…
姉ちゃんがあんな、女癖悪い父さんの所に連れてかれんの嫌でさ。。
俺が向こうに無理野理行ったんだ……」
少しずつ話してくれる光希…
お父さんって、女癖悪かったんだ……
初めて知ったと私は思った。
「それでさ、向こうに行った翌日にもう、女を家に連れて来てた…
女を連れて来ない日は勿論あった。
ケド、女を連れて帰って来ない日はホントに月に1、2度ぐらいしか無かったんだ…
そう言う日は大抵、酒をこれでもかってぐらい飲んでさ、俺はそれを何度も止めようとしたけど…
すぐに手が出て来て、酷い日にはビール瓶で思いっきり頭殴られた事あった…
俺さ、何で父さんの所に来たのか分からなくなった時もあったんだ…
それで、学校も俺行かなくなった…
こんな痣、みんなに見せたくねぇだろ?
それから、不意に姉ちゃんの事思い出して、姉ちゃんに逢たくなってさ、逃げ出して来たんだ。
荷物とか、纏めてる時、父さんに見つかった時もあったんだ。。
そんときも虐待されて…さ……
もぅ、俺。
精神的にツラかった…
死にたいって思った事も何度かあった。。
でも、それを救ってくれたのが姉ちゃんだった……」
「え??私?」
ついつい口を出してしまった…
「うん。
姉ちゃんの出てたテレビでさ、今逢たい人は?って言う質問コーナーあったじゃんか??」
んー??
あったような…
なかったような…??