「あの子かっこよない?」



蔡香が指を差す方向には、茶髪の集団が居った。



「それ、すぅも思ってた!後でしゃべりに行かん?」


「いいよ、いいよっ」



もう2人はノリノリ。


でも、私はとりあえず瑞稀を探してた。



瑞稀は、小学校からの彼氏。

付き合い出して3ヶ月。



まずまずの関係やった。




「あ、あれ瑞稀ちゃん?」


「えっ、どこ?」



蔡香の視線の先には、他の男子と戯れる瑞稀が居った。



「瑞稀って誰?」


「あ~、月愛の彼氏やでっ」



「嘘ぉ~?彼氏居ったん?どれどれ?」


「あれ、あの~髪の毛ちょっと立ててますよ的な子。ほら今笑った!」


「あー、あれ?全然かっこよくないやん~」



すずは笑いながら瑞希をけなしてくる。


「かっこいいからな」


私も負けじと言い返すけど、瑞稀には確かに特別かっこいい要素はないから、それ以上何も言えんかった。




「でも、ぶさいくではないやろ」


蔡香の微妙なフォローに私たちは笑った。