「あっ、うん。名前は?」


「うち?うちは、山本蔡香!そっちは?」


「宮地鈴華っ、すずって呼んで」


「わかった~っ!仲良くしてなっ?」


「こちらこそっ…。で、そっちの子名前は?」






「え?」



2人のやりとりをボーッと見ていた私にまさかのムチャ振り。



「あれ、月愛って人見知りやったっけ?」


蔡香は、私を不思議そうに見ていた。



「ちゃうちゃう、蔡香がテンション高いから入られへんかっただけ!」


「はぁ?うちのせい?」




「あ、藤崎月愛。よろしくっ」


「分かった!よろしくっ。すぅの事は適当に呼んで~っ」


「りょーかいっ」


「じゃ、体育館いこ~」


こうして、私たちは仲良くなった。



奇跡的に、すずも2組という事が発覚した。





「すず、今日ひとりできたん?」


「一緒に来るハズやった子、いきなり風邪引いたとか言い出して無理なって~、しゃーなしみたいなっ」



すずは、明るくてめっちゃ話しやすい子やから、すぐに仲良くなった。



体育館の中に入ると何十個も並べられたパイプ椅子にちらほらと生徒が座っていた。