「はよしいやーっ!!」


1階からままの叫び声が聞こえる。



「アイロンぶっこわれたーっ!!」


1階に向かって叫び返す私。



今日は、中学の入学式。

朝から制服とか髪の毛とか色々なにかと忙しい。


やのに、アイロン壊れるって何!?

こんな大事なときに限って…



アイロンは、電源も付かんと床に転がっている。


とりあえず時間もないし、慌ててブラシで何とかしようとする私にままがまた叫ぶ。




「はよしぃってゆってるやろ!!本間にあんたわ…」


「ちょっと待ってよ!」



もぉ、こっちの気持ちも考えてよ。







とりあえず、髪の毛は残念な感じやけど荷物を持って階段を駆け下りる。




「あんた、しょっぱなからそんな格好していくん?」


「何よ、普通やんか」


「そのスカート何?先輩に睨まれても知らんからな」



本間に最近、ままはうざい。


ほっといてよ!って感じ。





「はやくしてや」


ままは、洗面台でもう一度髪の毛をセットする私に言った。


「はっ?蔡香と一緒にいくんやけど」



「はぁ?ままずっと待ってたのに!それやったら早く言いや!!本間あんた信じられへん」


「昨日ゆったやんか!忘れてんの自分やろ?」


「はぁ?聞いてへんし!あんたが悪いんやからな」


「なんでもかんでも私のせいにせんといてよ!!」



はぁ…

もう、うっとぉしい!




私は、思いっきりドアを閉めた。