「今更だけどさ、ユリちゃんは何で病院なんかに?俺さ、父さんから詳しく聞いてないんだ。なんか悪い気するし…一応医者は黙秘しなきゃいけないだろ。」

「新しく引っ越して来たから色んな手続きって理由だけじゃダメ?」

「…ッ…ごめん!!言いたくなかったら別にいいんだ…。」

「ふッ…奏嗣くんって本当いい人だね。人気があるの分かるわ。」

「俺真剣なんだけど。」

「ごめんごめん。私、心臓に疾患があるの。心臓病とは違って特殊なんだけどね。」



私の病気…。

ちょっと走れば発作が起こる。
生活してて、いつ発作が起こるかは分からない。誰にも分からない。原因も正しい治療法も、まだない。それが私の体にあるリスク。何もできない。つまらない人生だった。いつも見ていたのは病室の白い壁と窓から少し見える外の世界。







羨ましかった。