――ぢりぢりぢり…


うるさい目覚ましの音にビビって飛び起きた。

しばらくの間ボーっとしていた。

胸の前で手を握っている。



「昨日のあの夢、何だったんだ?」




そう思い制服に着替えた。

俺はいつもどおり
自分でハムとパンを焼いて食う。

俺は親がいないせいかこの生活に慣れた。




――ガチャ…



「行ってきます。」



そう言って家の扉を開けた。

別にいう相手はいない。

けどコレが俺にとって普通の生活。


近所のおばさん達が朝ゴミ捨て場の前で会議を開いている。

かすかに聞こえる会議の声。



「あっ!あの子、りょうた君スゴい可哀想よねぇ…。」


「でも親いないのにしっかりしてるわ。」



また始まった。

俺は可哀想でも何でもない。

俺は普通に生活してるだけだ。