ガヤガヤと騒がしくなる講堂内。
無理もない。
あんな粗(アラ)か様な態度じゃ誰だって不審がる。
「希夜、八巳と同じくらい態度悪いなぁ~」
いやいやいや、八巳の百倍は態度悪いだろ!
あんなのに比べたら、八巳のやる気のない顔が可愛くみえてしまうよ。
あの見下した顔なんて学園の生徒全員を敵にまわしたようなものだ。
恐ろしい。
てか、なんで圭也こんなに呑気な様子なんだろう。
圭也ならヤバいヤバいと騒ぎ立てると思ったのだ。
軽くて馬鹿などうしようもないチャラ男だけど誰よりも友達思いで、熱い奴だとこの数日間で感じていたのに、勘違いだった?
「希夜が心配じゃないのか?」
もちろん私は心配なんかしてない。
いい気味だ。
だけど、圭也は違う。
何年もヤツと友達だった。
希夜を怖がっているそぶりは見せるが、懲りずちょっかい出したりして圭也と希夜との間にはお互いの苦手意識がみえない。
希夜が苦手な私なら自ら奴に近づくようなことは絶対しないのに!
二人が仲良しに見えなくもないし。
心配しないなんて、どうして?
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