「入学試験成績、第3位、八巳 光(ヤツミ コウ)。」


私の前の席にいたヤツがゆっくりと舞台に向かって歩き出した。


無造作にセットされたであろう黒髪に、やる気ゼロ見え見えの猫背な背中。

全体的に暗い雰囲気で・・・

何と言うか、生気が全く感じられないのだ。


こんなのに負けたんだと思うと、私までやる気が失せそうだ。


前髪から覗く吊り目(ツリメ)はやはりどんよりとしていた。


"光"なんていい名前持ってるのに。


これを名前負けしてると言うのだろう。


ジーッと観察していたら、ゆっくりと歩いていた八巳 光がふと私を見た。

私はパッと顔を背ける。


うん、
大きなお世話だと言われそうだ。


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