「おはよ。」

ちょうど食堂の扉に手をかけた時、真後ろで架依斗の声がした。


「お、おはよう。」


標準とはいえ私よりいくらか高い身長に見上げるようにして見る。


うゎ。
下からのアングルもイケてるし!!

栗色の柔らかな髪をかきあげ小さく欠伸(アクビ)をする姿は少し王子様らしかねるが、もともと持っている優雅なオーラのせいかその仕草も絵になってしまう。




さっさの苛立ちはどこにいったのやら。

寝起きの架依斗に私はくぎづけだ。



「怜悧?」

「へっ?」

「行くよ?ほら。」


取っ手にかけたままの手の上に架依斗の手が重なる。
そしてそのまま私の体ごと前に優しく押した。



「ぅおッ!!」

転びそうになって、急いで前に足を踏み出す。

「あ、危ないだろ!!」


「大丈夫。ちゃんと支えるから。」




うわぁ〜