どうにか真実を伝えたくて声を張り上げる。

「そんなのうッ!!ぐはっ!!」


だが言わせまいと希夜が掴(ツカ)んでいた襟(エリ)をぐいっと後ろに引っ張った。

そして無理矢理私を自分の腕に収めたんだ。


「凛太郎?怜悧のこと気に入っちゃったから。いいよね?・・・フフフ・・・」

ぎゃ~
どういうつもりよ‼


肩の上にも背中にも希夜の温もりが纏(マト)わり付く。


「お、おいッ!!何やってんだー!?」

圭也が顔を真っ赤にさせながら立ち上がった。


「も、ももももしかして希夜、そういう趣味がッ!?」


それはお前じゃー‼


希夜は違う。
私に対しての向けているのは"好意"じゃなくて"殺気"。


私を陥れるつもりに違いない。
今にも締め上げようと腕が絡み付いてくるのが証拠だ。