皆、部屋に揃っていた。

玲李の後に続く希夜の姿を見るなり、安堵の表情になる。

「天世、お前ならやってくれると思ってたぞ。」

「怜悧に任せて正解だったね。」


「お、おう。」


希夜の部屋を出る前、

”何でも一ついう事聞いてくれるんだったよね?”

”えっ?”

”ゆっくり考えとくよ”

”えぇっ⁉”

その話しは無くなったと思っていたのにぶり返されてしまったのだ。
皆には伝えないでおこう。
条件付きで連れてきましたなんて言えない。


「さて、全員集まった事ですし、本題に入りましょうか。」



「オレ必要?」

今朝はいなかった鈴音がちょこんと座って、不満を漏らす。


「お前は必要無い。帰れば?」

間髪言わず光が冷たく返した。

バチバチと二人から火花が散るのが目に見えそうだ。


「何を言っているんだ。藍咲には世話になっただろう。」

「うっ・・・」


藤原さんの一声に鈴音は声を詰まらす。
私達の部屋にいた時の事だろう。
藤原さんは義理人情に厚い人なのだ。


光は溜息をつき、鈴音は静かに頷いた。

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