圭也が去り、呆然と立ち尽くす私達。
重い沈黙に耐えきれず、私は口を開いた。
「・・・どうしよ・・・」
「「「・・・・」」」
助けを求めるように架衣斗を見るがこの時ばかりはいつもの穏やかな表情は無く、怜李の視線にゆっくりと首を横に振った。
こんな終わり方ってあるだろうか。
どうして、私の周りは逃げるように居なくなってしまうのだろう。
仮に学園を辞めるにしても、私達とこんな別れ方したら今後会いたくても会えないじゃないか。
「・・・取りあえず、圭也になにがあったのか調べないといけないね。」
やっと架衣斗は発言をし、皆それに頷いた。
「どうやって調べましょうか?」
「そうだね。まずは圭也の家族とコンタクトを取るのがいいかもね。単純にくるみちゃんの為だったら話は早いんだけど・・・」
難しい顔をして架衣斗が腕を組む。
「・・・どうやって取るの?」
凛も知らないようだ。
「一番圭也に近いのは高龍寺じゃねぇのか?」
藤原さん、冴えている。
そうだ、希夜ならなにか知っているかもしれない。
「そういえば、圭也の家族と面識があって時々やり取りをしているようなことを話してました。」
「それじゃあ高龍寺のところに行けば事の真相は分かりそうだな。」
藤原さんの期待に満ちた声に皆に希望の兆しが見えてくる。
だが
「アイツがそう簡単に教えるか?」
光が水を差すことを言う。
希夜の事が信じられないらしい。
「でも、今何とかできそうな人は希夜しかいませんよ?」
恭の指摘に光はフンとそっぽを向いた。
それは光も分かっているのだろう。