教室の戸が開き、ド派手な色彩が目に入る。
”よっ久しぶり””元気してたか”とクラスメートの声に片手で答え、のろのろと自分の席へ向かっていた。
体育祭が終わってからすでに2週間が経っている。
昔の突然の別れが少しトラウマになっているのかもしれない。
2、3日で戻るだろうと勝手に思い込んでいた玲李は一向に帰らない圭也に不安でいっぱいだった。
電話も出ないし。
久々に見た圭也の顔にちょっと文句を言いたくなる。
恭と光と一緒にいた玲李は圭也を見つけるな否やずんずんと圭也の席に向かった。
「おい。何か言うことはないか。」
圭也の前で仁王立ちだ。
「おい‼」
「・・・」
「おいっ‼」
「・・・」
「圭也ってば‼」
「…おぉっごめん・・・」
「ん?」
あれ?
なんだか・・・
「・・・」
「連絡ぐらいしろよな。心配するだろ?・・・ちょっとだけ。」
「・・・っあぁ。わりぃな。」
苦笑いで返される。
やっぱり様子がおかしい。
いつもうるさい圭也が静かだ。
なんというか心ここにあらずっていう感じ。
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