「リレーの後、救護所に運ばれるのは見たけれど、まだここにいるとは思いもしなかったわ。」


「ここなら、恭も鈴音もいるしさ。救護所って居心地いいよな。応援もしなくていいし。」


「玲李はものぐさね。まぁいいけど。それより貴方が気になっている人はどこにいるの?今日は見るのを楽しみにしてたんだから。」


「べ、別に気になってなんてねーよっ‼」



「嘘を言っても無駄よ。お見通しなんだから。」


樹里ちゃんめ。このために来たのか‼
この手の話しは樹里ちゃんしつこそうだな~

てか、別に気になってるわけじゃないし‼

玲李の顔が青くなったり赤くなったりする。



「怜悧は分かりやすいですからね。」


変なタイミングで恭が帰ってきた。
いつものようにクスクスと笑って、樹里ちゃんに詰め寄られている玲李を見て楽しんでいる。


樹里ちゃんが目でこの人なの?と聞いてくる。


玲李は大きくジェスチャーで違うとアピールした。


「うふふそうよね。で、貴方は?」


誰?と問うように小首を傾げる。


「怜悧と同じクラスの竹吉恭一です。」


「同じクラスって・・普通に友達って言えよ。」


遠まわしに距離があるような言い回しをするものだから、なんだかモヤモヤする。


「そうでした。怜悧の親友の竹吉です。よろしくお願いしますね。」


「はっ⁉・・・ま、いいけど・・・」


「こちらこそよろしくお願いします。」


この人もイイ感じじゃないっ‼
綺麗だし、物腰が柔らかくて素敵だと思うわ。
お似合いよっ‼
樹里ちゃんがこそっと耳打ちする。


このままじゃ手当たり次第にくっつけられそうだ。


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