それにしても、圭也が希夜を親友に選ぶなんて・・・
てっきり架衣斗とかかと思っていた。
「希夜がいなければ圭也はここにいなかったでしょうからね。」
どういう意味だろう。
独り言のような恭の呟きが気になる。
だが、問う間もなく恭は行ってしまった。
「れいりっ‼」
自分の出番も終わり、特にすることもない。
ボーっと救護所の椅子に座り、さっきの言葉の意味を1人考えていると、凛とした声に呼ばれ顔を上げる。
「何してるのよ。探したじゃない‼」
腰に手をあてて、ご立腹状態の樹里ちゃんが現れた。
1か月も経っていないのになんだか懐かしく感じる。
金の髪をなびかせ、相変わらず神々しいほどの美しさだ。
「樹里ちゃん・・」
嬉しさで多分頬はだらしなく緩んでいることだろう。
たまにやり取りはしていたが、体育祭でも会えるとは思ってもいなかった。
「全く、しょうがないんだから。」
玲李の様子に呆れつつも自身も嬉しそうに微笑んだ。
玲李の横に腰かけ、体育祭そっちのけでおしゃべりが始まる。
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