「あいつ、借り物競争?」
「ですよ。見物ですね。」
「楽しみ?」
「えぇ。毎回笑わせてもらってますから。」
「ふーん。恭がそう言うなら、楽しみにしとこ。」
いつの間に仲良くなったのだろう。
鈴音と恭は相性がいいらしい。
和やかな空気で普通の会話が成り立っている。
拗ねてそっぽを向いてるのは玲李自身だが、あまりにも空気のように扱われ疎外感を感じる。
少し膨らんでいた玲李の頬っぺたは徐々に膨らみ、今にも破裂しそうだ。
「ほらほら、圭也の出番です。こちらで一緒に観ましょ?」
見かねた恭がやれやれと言った風に手招きする。
だが玲李はジト目で恭を見たまま動かない。
「なんか拗ねてるし。めんどくさ。」
「鈴音、ホントのことを言ってはいけませんよ?また拗ねますから。」
恭の方がヒドイこと言ってるし‼
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