「怜悧、もしかして頭打った?」
「へっ?」
ひょっこりと姿を現した鈴音に素っ頓狂(スットンキョウ)な声が漏(モ)れる。
そういえば鈴音は保健委員だった。
「変な顔してる。」
「えぇっ⁉」
クスクスと笑う恭も目に入る。
「いつものことでしょう。」
くっそー恭のやつ‼
恭のせいなのに‼恭のせいなのにっ‼
「それより、もうすぐで圭也の出番ですよ。」
さらりと話題転換されてしまった。
玲李はふくれっ面でモニターを見る。
もちろん機嫌が悪くなったことをアピールするために口もつぐんだ。
だが、そんな玲李はお構いなしに恭と鈴音はお喋りを続ける。
.