吹き抜けのスタジアムからカンカンと頭上を照らす太陽が今は憎い。
どうかこれ以上体力奪わないでほしい。
周りを見回して愕然とする。
こんなに広かったっけ⁉
半分走っただけで息切れしそうだ。
しかも、足は遅い方だというのにアンカーという。
責任が重すぎるよ・・・
横を向くとさらに溜息が出そうになる。
「なに。」
仏頂面の希夜。
イヤだな・・・
「それではリレー種目の選手は位置について・・・」
パーンとピストルの合図とともに第一走者が走り出す。
観客席からの大きな歓声で徐々に今から走るということに実感がわいて緊張してきた。
「何緊張してるの?・・・フフフ・・・」
「う、うるさい‼」
やばい。
走る前から倒れそうだ。
顔が火照ってきた。
普段全然運動しないから・・・
今になって悔やまれる。
後、水飲んでくれば良かった。
しかも、悪いことは重なる。
第四走者が希夜の前の人より早く走ってきやがった‼
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