「天世っ。そろそろリレーの時間だぞ~」
「え?もうそんな時間?」
前の席にいたクラスメイトの声で、慌ててスタジアムのモニターを見る。
やべっ‼
リレーまで後2種目もない。
「俺、行かなきゃっ‼」
「もう?残念。」
「怜悧ちゃんともっと話したかったのにっ‼」
「圭也っ‼代わりに貴方が走って来なさい‼お姉さまの命令よ‼」
「おいおい無茶言うなよ~」
「あら、ごめんなさい。貴方に走らせたら酷いことになるんだったわね(笑)」
「そーゆーこと言うなよーー」
姉ーズ、面白いな。
圭也いじりが心底楽しそうだ。
圭也もなんだかんだ言っても嬉しそうだし。
何でも言い合えるそんな間柄が見える。
「でも、ほんとに行っちゃうの?」
あぁ、私にまで名残り惜しそうにしてくれていて嬉しいな。
「また後で会えますよ‼」
「・・・それもそうね‼いってらっしゃい。」
競技場に向かう前に3人の美女になぜかよしよしされる。
周りの羨ましげな視線が痛い。
「いっちぇらっちゃい‼」
圭也の腕の中で手を振るくるみちゃん。
最後に可愛らしい笑顔に見送られ競技場へと向かったのだった。
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