私達外野はというと微笑ましいその光景に目を細め口元を緩ませていた。

ほんと、ホームドラマでも観ているようだ。



だが、松さん?は圭也の相手に飽きたようで、方向転換し玲李にずんずん近づいてきた。

圭也は恨ましげに松さんを睨みながらくるみちゃんをギュッとぬいぐるみを抱っこするみたいに抱きしめている。


「それはそうと、貴方もしかして・・・れいりちゃん?」


「へっ⁉」


突然美女から名前を呼ばれうろたえる。
な、なんで私の名前知ってるんだろ・・・




「そうよね?」


「は、はい・・・」


「やっぱりっ‼圭也から毎日あなたの事聞いていて、一度会いたいと思っていたの。」


どういうこと?
玲李の頭に浮かぶ?マークが見て取れたのか、松さんは補足する。


「毎日私達姉弟はチャットのやり取りをしているのだけど、毎回怜悧ちゃんの話題が出てくるのよ。それで、実際どんな子なのか気になってね。写真通り可愛い顔をしているわね。」


写真?

私の額がピキッと音をたてた気がした。
圭也のやついつの間に‼


てか、そうとう仲のいい姉弟だ。



「私は松。よろしくね?」


「こちらこそよろしくお願いします。」


「後ろは梅と竹よ。」


ぱっつん前髪の美人が梅さんでもう一人が竹さんのようだ。

玲李はペコペコと頭をお姉さま方に頭を下げる。



「折角のくるみとの感動の再会に水を差しやがって・・・」



圭也は拗ねたように唇を尖らせながら、まだいじけていた。


くるみちゃんは圭也の腕にぴったりくっついて離れない。

きっと家族全員、仲が良く、理想的な家庭なんだろうな。
そんな感じがした。


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