地鳴りのように微かに揺れるスタジアムと緊迫した空気に玲李は身震いした。


来客席から見たら、凄い光景だろうな。







そして、笛の合図とともに前を並ぶ楽器を持った生徒たちがお馴染みの行進曲を奏で始めた。



ピーッピッ・ピッピッピッ



もう一度鳴り響く笛により、スタジアムの舞台上へ足を踏み入れたのだった。






市長だの校長だの長い話を聞き終え、希夜の進行により、着々と競技を進めていく。

余談だがこの後、二度と放送で圭也が登場することは無かった。


最初から分かっていたが、圭也には向いていない。




玲李はというと一角に設けられた応援席に座り、悠々と寛(クツロ)いでいる。

出番までは特にやることはない。
周りは盛り上がっているようだが、応援の声もゴールするたびに聞こえる歓声も子守唄に聞こえてしまっていた。



光におもてなし委員に戻る際、物言いたげな顔で見られたがスルーだ。
きっと、学校のイベント事は一段となって参加するべきだなんて言われそうだ。
Aクラスの半分は委員会等仕事に駆り出されているし、面白くない。

1人で応援なんてな~

だからって、他のクラスのとこいくのもな~


半分寝ぼけ眼でいると、椅子に座っている私の足に衝撃が走る。
衝撃と言ってもなんだか柔らかくて、言い表しがたい何かが当たったようだ。




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