多分、光の家は玲李の家とは比べ物にならないくらいの大金持ちに違いない。
「光は大変だな。今日一日頑張れよ。」
「は?」
光は意味が分からないといった顔だ。
玲李声を抑え、付け加える。
「一日ずっと接待だろ?」
「そうだけど、別に大変じゃない。」
「え?見る限り、大変そうだけどな。みんなデカくて威圧感あって怖そうだし、光のお父さんきつそうだし。」
「人の親の事、キツそうってね・・・」
100歩譲っても優しそうには見えない。
「お前たちの相手するより何倍も楽だよ。良識あるし、逆に勉強になる。そういえば、父にはこの調子で徐々に高龍学園の内部を掌握(ショウアク)しろと言われたな。」
さすが光の父だ。
見た目を裏切る向上心。
話しに聞く限り、おもてなし委員という重要なポストにつく光にご満悦のようだ。
光にこの学園を牛耳らせようとしていた。
希夜が黙っていないだろうけど。
あれ?
だから二人は対立してるのかな?
「おい。そろそろ並ぶよ。」
1人考え込んでいたら光の声が聞こえてくる。
辺りを見回したら、皆ぞろぞろと移動していた。
ハルも手をひらひら振り、列に入っていってしまった。
光に腕を引っ張られ、1ヶ所に集まった周りの列に入る。
今から開会式が行われるのだ。
私達は入場行進の為準備を始めた。
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