気持ちがいい・・・

顔はそっぽを向いていて、見えないけど心配そうな顔してるんだろうなってすぐに想像つく。

光って心配性だから。

私の様子が違うことに気づいたのかも。


「冷たくて気持ちがいいんだろ。」


「んじゃ俺が変わるっ‼」


え?圭也?

絶対に離れないようにギュッとさっきより強く握れば、ふとこちらを見る光は少しだけ困った顔になっていた。


「怜悧が僕を離さないんだけど。」



「そんなはずねーってえぇ⁉」


圭也の剥(ハガ)そうとする力に必死で抗う。


「何で八巳なんだよー・・・仕方ねえ。俺は手を握ってやるんだ。」



おでこを諦めた圭也は片方の空いた怜悧の手を握る。



「あっつ」


ブンと手を振り、圭也の手はいとも簡単に離れた。


「ひで~」


「お前、体温高いんじゃない?熱あるんだから、やめとけよ。」


「熱⁉やべーじゃん‼そういう時って何すればいいんだっけ?」


私、熱あったのか・・・
道理でだるくて、こんなにも身体が熱いわけだ。


希夜のせいだと思っていたけど違ったみたいだ。




"楽、でしょ?"



グルグル


モヤモヤ


いや、やっぱこのモヤモヤとだるさは希夜のせい。



光と圭也の声が子守唄みたいに聞こえてくる。


あー、せっかく光が来てるんだから起きていたいのに・・・


いつしか睡魔に襲われ、怜悧の意識は飛んでいった。



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