「まぁ、いいや。でも、アレには気をつけたほうがいいよ。」


アレとは恭貴のことだろうか?
たしかに質(タチ)が悪そうだ。



「ホント分かってる?」


希夜は怜悧の顔を見て、ため息まじりにそう言った。
心配してくれているのだろうか?

そんなまさか。


「Dクラスだし、気を付けるけど・・・急に何で心配してくれるの?」



「心配?・・・フフフ・・・ただ、これ以上キミが目障りなのに囲まれたら、俺が面倒だからだよ。」



あぁ、そう言う奴だった・・・


「…白神(シラガミ)を・・・のは今じゃない・・・」



「白神?」


聞きなれない名前に聞き返す。


「やっぱり分かってないじゃないか。」



希夜はやれやれとでも言いたげな表情だ。
もしかして、恭貴の隣にいたヤツだろうか?
でも、そしたら白神は恭貴より"質(タチ)"が悪いことになる。


「Dクラスのボスは恭貴だろ?なんで白神を気を付けなきゃならないんだよ。」


「引きこもってばかりだから分からないんでしょ。やっと動き出したかと思えば見当違いな方へ行くし・・・」


え?私の事ストーキングしてたの?
あれだけ注意してたのに。


「あれはただのお散歩か?」


えぇ?やっぱストーカー⁉
いつから?いつからなのっ⁉



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