背中の温もりが無くなった。


やっと遠のいた希夜の身体の方へ玲李は身体を向ける。

希夜は赤い淵メガネから覗く大きなネコ目を細め、複雑な表情で私を見ていた。
口元は何が気に食わないのか、へ文字だ。


「キミって変なのばっか引き寄せるよね。」


・・・どういう意味?



唐突にそう切り出した希夜に困惑した表情を向ける他ない。


もしかして、変なのって希夜のことだろうか?


もしそうなら、いえてる。

ぷぷっと笑ってしまう。

今まで出会った中で一番の変人だ。



玲李の顔を見て、希夜の手がにゅっと伸びてきた。
そして、玲李の頬を捕らえた。



「イ、イタタターっーーごめんってか何も言ってないだろー⁉」


「顔に書いてある。」


「・・・」


心外だ。
だが、反論したところで酷くなりそうだから押し黙る。


「理事長といい、八巳といい、天草といい・・・」



「?」


「理事長も八巳も味方についたから良かったものの、敵に回すと厄介だよ。」



一番厄介なのは希夜だよって言いたいのをぐっと堪えた。
てか、理事長なんて壇上でしか見たことないよ。
味方と言われてもなんの実感もない。

光は・・・うん。
味方で良かった。
光のバックにたまに恐ろしいものがちらついて見えるのだ。


あれ?
そういえば鈴音と関わりがあること希夜は知らないはずなんだけどな・・・



「俺が何も気づかないと思っているの?・・・フフフ」


ひえーー
怖いよー

やっぱり、希夜って心が読めるのかもしれない。


「怜悧が分かりやすすぎなんでしょ。」



また読まれた‼


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