「れ、れいり?…大丈夫か?」


寮の部屋のベットに腰かけ、真っ青な顔で固まっている怜悧に恐る恐る圭也が声をかけてきた。

見ての通りガチガチに緊張してしまっている。


先ほどまでいた鈴音は対照的に全然緊張しているように見えなかった。
度胸が据(ス)わっているというか、小さいのに肉体的にも精神的にも強い。

起きてすぐに、教室で行われる試験の為自分の寮へと帰っていった。

何事もなければいいけど・・・鈴音が心配だ。


「朝ごはん食べに行こうぜ?」


「・・・いらない。」



今、胃に何か入れたら吐いてしまいそうだ。



「・・・怜悧。試験までやれることはやったじゃん。緊張してたら出せる力も出せねーよ?怜悧ならやれるよ‼」


ニカッと満面の笑みでピースサインをする。


圭也・・・ちょっとだけ泣きそうだよ。


「食べて元気出さなきゃ。行こうぜ?」


「・・・いい。」


圭也の気持ちは嬉しいが、本当に食べれそうにない。


「ほらほら」


「嫌だ。」


おもむろに圭也は携帯を取り出して、どこかへ電話をかける。




「八巳~‼ヘルプミーーー‼」



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