「おはよう。おっ。朝から暗いな。何の話してるんだ?」


襖(フスマ)が勢いよく開いたかと思えば、藤原さんが元気のいい声で話しかけてくる。


「藤原さん‼おはようございます。委員会の話です。」


そういえば、藤原さんも成績上位者だ。
何の委員会に入っているのだろう。


「委員会か。試験も近いしな。忙しくなる頃合いだな。」


「藤原も大変だな~」


「俺の委員は試験期間は忙しくないから、大丈夫だ。」



「藤原さんは何委員に入ってるんですか?」



「風紀委員だ。」


普通の委員会もあるんだ・・・
架衣斗と光の委員会が普通の高校にはなさそうな特殊(トクシュ)だったものだから、そんな委員会しかないのかと思った。

にしても、風紀委員。
藤原さんに似合いすぎている。


「どちらにしろリーダーじゃないから、そこまで忙しくならないがな。」


「え?リーダーじゃないんですか?」


「1年でリーダーになるのは極稀(ゴクマレ)だな。日渡は誰とでもやってける協調性と並外れた発想を見初(ミソ)められて中学から任されていたと聞く。八巳は顔が広いことから抜擢(バッテキ)されたんだろう。」


架衣斗は分かるが光って顔広いのだろうか?
そうなら、人は見かけによらないな。



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