「大丈夫だよ。ここには教え方の上手い八巳も、俺達もいるんだから。」


光が照れているのか前髪をいじって顔を隠している。

そうだよな。

架衣斗も、光も、恭も凛も、藤原さんも圭也も手伝ってくれているんだ。



「さ、準備もできたし、食べようか。」


架衣斗の合図で私達は弁当を食べ始めた。






夜の勉強も終わり、そろそろお風呂の時間だろう。
幸い、小さなコテージだからお風呂場も1人でも狭いくらいだ。


「れーいり。一緒に入ろーぜ」

コイツがいることをすっかり忘れていた。
合宿ノリで騒ぐ圭也。

「何言ってんだ、アホ。」


「合宿といえばみんなで風呂だろ。背中流してやるよ。」


何で合宿といえばみんなで風呂なんだよ‼
圭也の場合、自分が男でも女でも危ない気がする。


「誰が入るか、変態‼」


「変態?」

鈴音が恐る恐る圭也を見る。


「鈴音、気を付けた方がいいぞ。男相手に襲うとか言うんだから。」


サッと瞬く間に隣の部屋に隠れる鈴音。


「ちげーよ‼誤解だ‼」

「えー?しらばっくれるなよ。前、俺にそう言ったろ?」

「そ、それは・・・鈴音ー誤解だーぁー」


それはずっと前の話だと、鈴音を追い掛け回す圭也。
ずっと前に言っていたという、本人の口から出た事実に鈴音はますます逃げ回る。


その間に、ちゃっかりお風呂に入る怜悧だった。

.