なにさ、鈴音には教えたくないって言ってたくせに。



「れーいり‼」


外からとっても嫌な声が聞こえてきた。
ドタバタと騒がしい音をたててやってくるのは


「差しいれ持ってきたぞー」

もちろん圭也。

怜悧は鈴音と光がそろってゲッて顔をしたのを見逃さなかった。

「って怜悧、なに拗ねた顔してんだよ。」


わざわざ顔を覗き込んで見てくる。
煩(ワズラ)わしくて顔を背けてやった。


「八巳。まーた怜悧イジメたんだろー」


「はぁ?」


「怜悧、だから言ったろ?八巳は希夜の次におっかないって。」


「はぁ・・・、煩いから帰って。」

「勉強の邪魔。帰って。」


「・・・俺までイジメる気かー」


光と鈴音の攻撃に圭也までも拗ね始めた。

怜悧もそろそろ勉強を始めようと思うのだが、概に怜悧を置いて鈴音と光は勉強を進めていて、なんだか悲しい気持ちになってきた。

光はもう私がDクラスに行ってもいいと思っているのだろうか…


そんな二人のジメジメとした空気が漂う中、スッと襖(フスマ)が開いた。



「圭也が行くって言うから心配で来てみれば、やっぱりこんな事になってたか。」


架衣斗ぉ‼


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