「やっと静かになりましたね。」


こんな状況で恭はクスクス笑っている。
そういえば・・・


「恭、弟と敵対しちゃったけど大丈夫?」


「大丈夫ですよ。」


「おまえら兄弟いつもあんな調子だもんな~仲がいいのか悪いのか。」


圭也が両手を肩の位置で広げ、参った参ったというように眉根を下げおどける。


「なにをいってるんですか。仲良し兄弟にしかみえないでしょう。たまには喧嘩してもいいんですよ。」


恭、楽しそうだ。




「それより、これからどうするのか?」


藤原さんが脱線した話を戻してくれる。


「まずは鈴音くんがどうなりたいかじゃないかな?」


そう言うと、鈴音が架衣斗の後ろからひょっこりと顔を出す。
小さくて気づかなかった。


「・・・今はクズじゃなくなりたい。」

「そして?」

架衣斗が促す。


「そして、Aクラスに移りたい。あんな場所もう帰りたくない‼」



なんて壮大(ソウダイ)な夢なんだ。
私の成績でさえ無謀(ムボウ)といわれているのに、Dクラスの最下位の成績で・・・


「怜悧、そういう目でみるのはやめなさい」



架衣斗に怒られちった。



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