「まぁ、お前がいようがいないが関係ねぇ。そいつを渡せ。」

さすがDクラスのボス。
迫力がある。

鋭い瞳は人一人殺せそうだ。
私は希夜の方が恐ろしいけどね。


「渡すわけねーだろ~」

なぜか圭也がしゃしゃり出る。
さっきの一緒にするなを根にもっているらしい。


“…恭貴、ここに日渡 架衣斗がいる。”

こそこそと恭貴に耳打ちする右隣の男。
チッと恭貴は舌打ちをした。


“恭貴さん、藤原も、あの八巳までいますよ?”


もう隣の男は焦っているのか甲高い声がこちらまで聞こえてきた。
藤原さんはわかるけど、光も意外と恐れられているのか?


「分が悪いな・・・」


「早くけーれ(帰れ)。けーれ。」


圭也はまだ止まらないようだ。
Dクラスの連中が見過ごすわけもあるはずなく。
取り巻きがギンと圭也を睨む。


ひっ


おとなしくなった。
何気に私の後ろに隠れている。
デカいから見えてるけど。


.