「俺もその方が助かるな。」


その返事に少年、いや鈴音は表情は硬いながらも架衣斗の手を取った。



「さぁ、安全なところへ行こう。」



「おい、待てや。」


はぁ
なんというタイミング。


ぞろぞろとガラの悪い奴らが辺りを取り囲む。

よく見れば真面目そうな人もいるが端で縮こまっているのを見るとこの中に統率するボスが存在するのだろう。


「そいつ、ウチのクラスなんだけど。こっちに渡してくれる?」


真ん中にいるやはり目立つガラの悪そうな男が声を発する。
コイツがリーダーか。

真っ赤な短髪に切れ長の鋭い瞳。
瞳の下には涙ぼくろがあり、はだけたガラシャツから覗く胸元からはなんの傷だとビックリするような傷跡が見える。

わざとか?わざとなのか?

ん?
誰かに似てる・・・


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