「ま、一度試してみれば?」
シュッ
早かった。
2mの高さから、いつの間にか焼却炉の隣に立っている。
そして、青い顔をしてフラフラとこちらに少しだけ歩み寄る。
光はさも愉快そうに少年を見ていた。
「ハッ。お前も馬鹿か。」
「「 え!?」」
私と少年の声がハモる。
今度は一体何?
「今、その焼却炉、使われてないから。」
「「えーーー!?」」
で、でも
「鮫島が授業で焼却炉の塀は火の粉が飛んで火災にならないように作ったって・・・」
なぜか私が反論しだすはめに。
「それは昔の話だろ。今の教育現場で少しでも安全性が疑われるようなものを置くわけない。ただの燃やせるゴミの置場だから。はぁ、僕がせっかく勉強教えてやってるのに授業さえまともに聞いてないなんて。高龍学園の歴史(高校編)なんて、1日目の授業で叩きこまれたと思うけど。・・・おい、そこのちび。お前もだよ。」
うー
光先生は恐ろしい。
わなわなと震えるちび呼ばわりされた、少年。
私は不思議な感覚に立ち尽くす。
少しデジャヴ感があったのだ。
前にもこんなことあった気が・・・
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