まるで仕方ないというように今度は光が動く。

気だるげだ。
本人は無自覚にだけど。

結構世話焼きさんだからね。


「そこのちび。この僕に手間をかけさせるんじゃない。ここにくるまでどれだけ走ったかわかるか?全力でしかも携帯を片手に通話しながら。そもそも何でDクラスのクズのことまで僕たちが気にかけないといけないんだ。まぁいいから降りて来い。」



うわぁ~
相変わらずネチネチくるなぁ。

まぁいいから降りて来いってなんだよ。
前説がそんなんで降りてくるわけないじゃん。


思った通り少年は降りるどころかそっぽを向いてしまった。





持久戦になりそうだななんて考えていると


「そういえば、そこの焼却炉は午後7時ぴったしに焼却するよう設定しているらしい。」


光がふとそんなことを言い出した。

みんな何が言いたいのかわからず光を見遣る。


辺りは先ほどまで夕日で照らされていたのに、近くの外灯も付きはじめだいぶ陽が落ちてきている。


今の時間はわからないがいずれ7時になるだろう。



「まぁ、僕には関係ないけど。そこ暑そうだよね。100℃なんてものじゃないだろうね。僕、興味ないから詳しく知らないけど。その上はどうなんだろう。2mといっても、燃え盛ったゴミから放つ火の粉なら届きそうなよね?別に僕の言ってることは気にしなくていいよ。ただの予想だし、お前がどうなろうと知ったこっちゃないし。」


少年の顔色が急変する。

焼却炉に投げ込まれているたくさんのゴミの山。
蓋なんてついていないし、火が付いたら上にいる人間はたまったもんじゃないに違いない。


しかも、熱さでフラフラになって焼却炉に落ちたら・・

考えるだけで恐ろしい。



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