「大事なこと忘れてるだろ。」
呆れた顔の光。
「そうですよ。・・・よりにもよってDクラスのクズを連れてくるなんて・・・」
難しい顔の恭。
ん?
Dクラスのクズ?
一体誰の事?
スッと傷ついた少年が脳裏に浮かぶ。
バッと焼却炉の方に目を走らせる。
あの子・・・
Dクラスのクズだったの!?
「馬鹿なんじゃない?いや、馬鹿だろ。」
気づいてなかったのがバレたのか、ますます呆れた顔の光。
「そうですね。Dクラスに追われている時点で気づいてください。」
“はぁ・・・”
タイミングを合わせたかのように、吐き出される二つの溜息。
二人ともヒドイ。
だけど、さすがAクラスの生徒なだけある。
なんの説明もしていないのに、追われているというだけでDクラスのクズを連れているなんて予測できているなんて。
「まぁまぁ、怜悧は逃げるのに必死だったんだから仕方ないよ。」
架衣斗が間に入ってくれた。
「取りあえず、凛太郎。そろそろ圭也起こしてくれる?」
圭也…コイツのこともすっかり忘れていた。
分かったと言って凛が転がる圭也に近づいた。
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