辺りが大分暗くなってきたころだろうか。


「んで、ということなんだ。」


一通り全てを圭也に話し終えた。


「…わからねぇ。」


「は?頭わる「いやいやいやいや」」


暴言を吐こうとする私を無理やりさえぎると話を整理するかのように話し出す。






怜悧は八巳の忠告を忘れていて、一人裏道を帰っていた。

んで、ボケーと歩いてたら一人のボロボロの少年とぶつかってしまったと。



うんうん、ここまでばっちり。


「少年の背後を見遣ると大勢のガラの悪い奴らが追っかけてきていて、その中には入学式に野次を飛ばしていた奴らが混ざっていた。

身の危険を感じた怜悧は思わず少年の手を取って逃げ出した。」


そうそう、わかってるじゃん。
光にもそう説明すれば良かった。

プチパニックになっていたせいかあったことをごちゃごちゃとそのまま全て圭也に話していたが、見事にまとめてくれた。


「わからねぇ。」

「なにが?」


こんな説明まで出来るんだ。
私よりしっかり理解していると思うけど。


「いや、なんで怜悧は自分にも危険が及ぶと思ったのだろと思ってさ。」


ん?




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